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24. 浴室

浴室
昔は浴室を家の中に造らなかったそうです。理由は浴室の四方が外気に触れていたほうがいいからです。家の中に浴室を造ると浴室の暖かい空気と隣室の冷たい空気が壁で仕切られるので、温度差による空気の移動が起こります。浴室の中の暖かい空気は冷たい壁の方へ引っ張られるので一緒に蒸気も引っ張られて、壁の中や天上に湿気が回る原因となります。恐ろしいのはこの壁を境にした温度差によって「壁内結露」が起こることです。壁の中の結露は落下して壁の土台にたまり、カビを発生させて、やがて家を土台から腐らせます。浴室は本来、家の中にあるべきものではないのです。ですが浴室だけ家の外にあるというのはちょっと現代の住宅では考えられませんよねえ?

それではどうすれば良いのかと言うと、浴室を家の角に配置して最低でも壁の2面、可能であれば中庭を造って3面を外気に面するようにする方法があります。カオリは一級建築士の円谷さんのご提案で、浴室を家の角に配置して壁2面が外気に面するようにするとともに、出入り口以外のもう1面には腰より低い窓を設けられるような坪庭を配置しました。結果、浴室の3面が外気に面することとなりました。加えて、カオリのリクエストで浴室には「浴室乾燥機」を設置して頂きましたので、浴室は常に乾燥した状態に保たれて、カビ対策もバッチリです。扉はバリアフリーの観点から、車椅子のまま内部に侵入できる段差のない開き戸の3枚扉にして、浴槽は腰掛の段差が付いている最も大きいタイプにしました。嵌め込み式のユニットバスは使用せず、すべて目地に抗菌目地を使用したタイル貼りにして、仕上げに撥水性向上、防カビ、防汚対策として浴室全体にシリコンコーティングを施し、メンテナンスフリーでいつも清潔な状態に保たれるようにします。また、浴槽は旅館のような埋め込み式にはせず、縁をまたいで入るようにし、掃除の時などに自分の身体よりも下に手を伸ばすことで眼圧が圧迫されて起こる網膜剥離や脳内出血を予防するとともに、不注意による落下の危険性も無くします。

最後まで迷ったのは温泉を入れるかどうかです。ところが、カオリの別荘がある地域の温泉は「硫黄泉」となるため、風呂釜も湯沸かし器も2~3年で痛んでしまいます。それだと定期的にメンテナンスが必要となり、メンテナンスフリーとならないため、諦めることにしました。予算的にも温泉の受湯権を購入する3百万円というお金を捻出するのはかなり厳しいですし、温泉に入りたければすぐそこに浴場があるのですから入りに行けばいいと考えました。

なお、段差のない開き戸の3枚扉を採用する場合には、浴室内の水が脱衣場の方まで流れ出て来ないように注意する必要があります。具体的には3枚扉内側の浴室内に沿うように排水溝を設け、浴室内からの水がそこで止まるようにします。また、脱衣場はお風呂から濡れた身体で上がって水浸しとなる場所であるため、木の床だと水が染み込んで変色し、最悪の場合は床が落ちるという事態にもなりかねません。そのため出来ればタイル貼りにして、濡れても大丈夫なようにしておくことが望ましいです。カオリの別荘はもちろん脱衣場にもタイルを貼ります。そしてタイルは冷たいですから浴室と脱衣場の床には床暖房を入れて素足でも冷たくないようにします。

別荘に来たらゆっくりお風呂に入ってノンビリしたいと思うのが人情です。普段はシャワーで短時間に済ませている人も、別荘にきたらきちんとお湯を入れて「ゆっくり」入りたいですよね。坪庭を眺めながら大きめのバスタブでリラックスした時間を楽しむ。そんな光景が頭に浮かんで、今からニヤニヤしているカオリなのです。

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